エウレカって言わせたい!

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Project Itohの第一弾、『屍者の帝国』を見に行ってきました

先日、アニメ映画『屍者の帝国』を見に行ってきました!
これは著者・伊藤計劃氏の長編小説3作品をアニメ化するProject Itohの第一弾で、発表当初から非常に楽しみにしていた映画でもありました。その感想を少しばかり綴っていきます。


「屍者の帝国」劇場本予告 - YouTube

舞台は近代イギリス!

まずは世界観から。 映画の舞台は19世紀末のイギリス。この世界では死んだ人間を再利用する技術・屍者技術が当たり前のように普及しています。この技術を確立させた人物は、小説『フランケンシュタイン』でお馴染みのヴィクター・フランケンシュタイン。しかし、彼らに意思はなく命令されたままに動くだけの人形です。人々は屍者を軍事や経済に使用し、今ではなくてはならないものになっています。ちなみにヴィクターは、唯一意思を持ち言葉を話す屍者であるザ・ワンを作り出した人物でもあります。

主人公は医大生のワトソン。彼は重罪である不法な屍者製造を見逃してもらう代わりに、イギリス諜報機関であるウォルシンガム機関のMと取引をします。屍者に魂を蘇らせ意思を持たせるすべが記されていると言われる、『ヴィクターの手記』を追うように命令されるのです…。

少し駆け足すぎる?

ネタバレしてしまうので、これ以上の本編の詳細な説明は省きます!

結果から言いますと、「意味わかんなかった!」です。
途中までは「ふむふむ」「ほぅ」といった感じで楽しめていたのですが、ザ・ワンが登場し始めるあたりから真顔で置いてけぼりを食らってしまいました。
いちおう屍者技術自体はしっかりとした科学的理論に基づいているようなのですが、劇中ではそれについての説明がなされていなかったような…?
そのせいもあって、物語後半ではすべての出来事が超能力によって起きているものと錯覚してしまいました。

実は屍者の帝国の原作小説は、執筆途中で亡くなった伊藤計劃氏の草稿を円城塔氏が引き継いで完成させたもので、文庫本でも500ページを超えています。対して映画の上映時間は120分
もちろん見に行く前にも、「長編小説の映像化だとそれなりに情報量も多いはずなのに、たった2時間で大丈夫…?」という疑念はあったものの、うまくポイントをかいつまんでいるのだろうと期待を膨らませ映画館へ足を運んだわけです。
しかし、現実はそう甘くありませんでしたね(笑)
おそらく原作を一度読んでから映画を見ていればそれなりに楽しめたでのでしょう。

まとめ

とはいえ、映像のクオリティは満足できるものでしたしストーリーの大筋も悪くなかったと思います。
なんといってもキャラクター原案は個人的にお気に入りなredjuice氏、主題歌も大好きなEGOISTが歌っていますし、これだけでも見に行く理由にはなったかなと考えています(笑)

Today's Eureka!

SF作家アーサー・C・クラークの言葉に「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」というものがありますが、今回はまさにこの身を持ってそれを体験したと言えますね。
もし見に行こうと思っている方がいらっしゃったら、原作小説を読んでから劇場へ向かうことをオススメします!

ということで、今回のエウレカは『長編小説の映画は原作に一度目を通してから行くべき!』でした。